謎の板木…図柄に秀吉と清正が |
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別掲の絵は板木から写し取ったもの。板木の大きさは四角の方が縦8.5センチ、横7.2センチ。ヒョウタン形の方も四角形の木に彫られており、縦9.0 センチに横7.6センチほどの大きさ。彫りなどはともにしっかりしているが、スタンプ台のインキで写したためにあまりうまく出ていない。四角の絵では手前にトラが描かれ、大石(?)を持ち上げているのは加藤清正か。後ろに立っているのはその姿から豊臣秀吉と思われる。
ヒョウタン形のものには中央に「名城」とあり、名古屋城と清正の立像(台座に「清正公」とある)、それにやはり背後に秀吉が描かれている。手前の石柱のようなものには「豊公誕生寺」の文字も見える。ヒョウタン形をした板木の背には墨書きがある。薄くて読みづらいが、大体、次のようになる。
「大正十二年聯合商標 第三二二六號 名古屋市西区中村町字木ノ下屋敷三番 酒井福大郎 名古屋市西区長島町三十二 右ハ□ 織田了」
もう一つの四角い方の背には「商標」とか「実用新(案か)」などの文字を印刷した紙が張られている。そして、その紙に墨書きで「149553」とあり、同じ数字が板木の横にも書かれて、朱で「29」の印が押されている。
『総合名古屋市年表』大正編を見ると、大正12年3月から名古屋生産共進会が開かれている。この板木はいま見られる記念スタンプのようなもので、これで刷って配られていたのだろうか。ついでに記すとこの年の9月に関東大震災が起き、名古屋も多くの被災者を受け入れている。
中村町の有力者と思われる酒井福大郎については分からなかったが、長島町の織田了は“マラソン王”で親しまれた日比野寛の長兄である(寛は三男)。愛知県選出の代議士でもあった。寛が日比野姓となったのは津島の日比野家へ養子したためだ。
この板木の正確な由緒はいまのところよく分からない。しかし、地元に関係したもので、また、めずらしい一品だ。お客様から買い取ったが、「出所や活用方法などは不明」とのことだった。2点セットで売価8000円(税込み)。
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謎の板木…図柄に秀吉と清正が